
近年、ブロックチェーン業界で注目ワードとなっている「Web3.0」
「web3.0とはいったいなんなのか?」 「今までのインターネットとなにが違うのか?」
Web3.0の明確な定義はないようですが、
「Web1.0」「Web2.0」の歴史を振り返り、「Web3.0」とはなにか? を解説していきたいと思います。
Web1.0時代(〜2005年)
Web1.0はひとことで言うと、「ウェブサイト」の時代です。
企業のホームページやポータルサイトがインターネットの主流で、利用者はほぼ回覧のみ。
情報が発信者から受信者への一方通行の状態で、双方のコミュニケーションは希薄でした。
インターネット回線もダイヤルアップ接続で遅く、大容量のデータをやりとりができない時代になります。
例
・ポータルサイトにいき、ニュースを読む。(Yahoo)
・検索エンジンで企業のホームページへ行き、商品情報を見る。(Google)
Web2.0(2005年〜2020年)
Web2.0はひとことでいうと「SNS」の時代です。
GAFAとよばれる(Google・Amazon・Facebook・Apple)テック企業が急成長した時代で、特定の企業が中央集権的にデータを集め、利益を得るようになりました。
インターネットの回線速度が向上し、画像や動画等のコンテンツが増加した結果、
利用者は大容量のコンテンツを楽しめる一方で、SNSやブログ等の普及により、情報を互いに発信しあえるようになりました。
また、インターネット上にさまざまなコンテンツが溢れ、インターネットが一気に普及しました。
例
・SNSで写真や動画をアップしてメッセージをやりとりする。
・動画サイトで映画を視聴する。
・クラウドに大切な写真をアップロードして保存しておく。
・インターネットショッピングをする。
Web2.0の問題
GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)が成長することで、非常に便利になった現代(Web2.0)ですが、その代償として、個人のデータが中央集権的に巨大テック企業(GAFA)へ一極集中し、さまざまな弊害が問題視されています。
今回は2つの問題点を紹介します。
データの所有の問題
GAFAとよばれる(Google・Amazon・Facebook・Apple)巨大テック企業が成長することで、データの所有の問題が出てきています。
インターネット上にはさまざまなコンテンツが溢れていますが、そのデータの多くはGAFAが管理しています。
YouTubeへアップロードした動画は、Googleアカウントが消されれば(Ban)されると無くなります。
Amazonで購入したKindle本もAmazonアカウントがBanされてしまうと、なくなってしまいますし、このブログも「はてなブログ」にBanされれば、簡単に消されてしまいます。
素晴らしいコンテンツをクリエイターが作成しても、GAFAにデータを管理されている以上、クリエイターのものではありません。
Web2.0におけるデータは個人(クリエイター)のものではなく、巨大テック企業のものになってしまっているというのが現状です。
また、2020年にはトランプ元大統領のtwitterアカウントが永久凍結されたことがありました。
過激な発言をしたとはいえ、ただの1企業が元アメリカ大統領の発言権を奪ってしまうという事態になってしまいました。
これも中央集権型のSNS企業による弊害で、サービスが普及すればするほど、その力は強くなり、支配的になっていきます。
個人情報・プライバシー問題
巨大テック企業(GAFA)に情報が一極集中することで、個人情報やプライバシーの問題も出てきています。
巨大テック企業(GAFA)は、利用者の検索履歴や購入履歴からビックデータを収集し、企業のマーケティングや広告として利用して、利益を得ています。
つまり、巨大テック企業(GAFA)は世界中の利用者の個人情報を握っているのです。
オンラインショッピングサイト上で住所や名前、クレジットカードの番号等の個人情報を入力したものが、企業サイドの不手際で流出してしまうリスクやハッキングのリスクに常にさらされています。
実際に日本でもLINEやドコモ口座で個人情報の流出事件やハッキング事件がたびたび発生していたり、Facebookの6億人以上の個人情報が流出した事件がありました。
中央集権的に収集されたデータは「人為的ミスによる流出」や「ハッキング対象」になってしまうのです。
これらの問題を解決できるのがWEB3.0の世界です
Web3.0時代(2020年〜)
Web3.0はひとことでいうと「ブロックチェーン」の時代です。
Web3.0はブロックチェーン技術を使った「分散型」のインターネットの世界のことを指します。
Web2.0の「中央集権型」のように1部の巨大テック企業が管理するのではなく、全員で管理する事(分散型)事で、「Web2.0の問題を解決しましょう」ということですね。
すでにWeb3.0のサービスは始まっていますので、
ここでは、有名なWeb3.0のサービスをいくつかご紹介します。
Web3.0のサービス
OpenSea(オープンシー)
OpenSeaとは、NFTを作成、販売できるサービスで、Web2.0時代のAmazonや楽天に当たるサービスです。
Web2.0ではAmazonや楽天などのオンラインショップでは、利用者の情報が中央集権的に管理されていますが、OpenSeaは個人情報を入力せずとも利用することができます。
サービスを利用するには、会員登録も不要で、自身の仮想通貨のウォレットを接続するだけですぐに利用できます。
また、IDやパスワード等の入力もありませんので、ハッキングリスクもありません。
PancakeSwap(パンケーキスワップ)
PancakeSwap は DEX(分散型取引所)1種になり、仮想通貨を売買できる取引所で、Web2.0時代の仮想通貨取引所(コインチェックやビットフライヤー等)に当たるサービスです。
PancakeSwapでは自身のウォレットとサイトを接続することで、仮想通貨を自由に売買することができます。
PancakeSwap(DEX)はブロックチェーンのスマートコントラクト技術により、管理者が不在でもサービスは動き続けます。
いわゆる無人取引所です。
管理者がいないので、データの流出やハッキングのリスクが少ない上、取引も24時間可能で、手数料も非常に安いです。
Axie Infinity(アクシーインフィニティ)
Axie Infinityはブロックチェーンゲームの一種で、アクシー(ゲーム内のモンスター)が(NFT)となっています。
アクシー(モンスター)を購入することで始められ、そのアクシー(モンスター)を戦わせることができます。(初期投資)
また、ゲームをプレイすることで、仮想通貨(SLP)をもらうことができます。
その仮想通貨(SLP)はETHやBitcoinに変換可能で、ゲームをプレイすることで、お金を稼げるという、新しい仕組みです。
ブロックチェーンゲームでは、Play to eran(遊んで稼ぐ)という言葉ができており、
実際に物価の安い新興国(フィリピン、ベトナム等)では、Axie Infinityで稼いだお金で生活したり、家を購入している人もいるようです。
Brave(ブレイブ)
BraveはWebブラウザの1種でWeb2.0時代のGoogle ChromeやSafariにあたるサービスです。
Google Chromeは利用した人の観覧履歴や検索履歴を吸い上げ、広告として利用していますが、Braveは広告をブロックしてくれる機能が備わっていて、快適にブラウジングができます。
利用者は個人情報を渡すことなく、広告の出ないブラウザでインターネットが利用できます。
また、Braveブラウザを使用することで、BATという仮想通貨をもらうことができます。
ブラウジングするだけで仮想通貨がもらえる時代がやってきました。
Web3.0の課題
中央集権型から分散型へ移行することで、利用者は自由になる反面、課題もいくつか残されています。
自己責任度合いが高い
Web3.0では、サービスが中央集権型から分散型に移行することで、データの管理者が企業(管理者)から自分自身になります。
例えば、仮想通貨ウォレットの「シードフレーズ」を失くしてしまった場合は、そのウォレットから仮想通貨を取り出すことは誰にもできませんし、問い合わせ先もありません。
Web2.0の世界では、銀行口座のIDやパスワードを忘れても、企業(管理者)が個人情報を中央集権的に管理しているので、復旧することが可能ですが、Web3.0では、管理者が自分自身になるので、そうは行きません。
また、仮想通貨の送金時に誤ったウォレットアドレスに送金してしまったとしても、キャンセル等はすることができません。
自分自身で調べて、解決できる人は大丈夫ですが、
Web3.0のサービスは今までにないサービスなので、利用者の理解が追いついていないケースが多いです。
ITリテラシーがない方は仮想通貨を送金するだけでも難しく感じるでしょう。
手数料(ガス代)が高い
Web3.0でもっとも使用されている「イーサリアム」ですが、ガス代が非常に高く、1回のトランザクションを行うだけでも、ネットワークが混雑している時では200ドル(25,000円)くらいかかってしまうこともあります。
現状のガス代では、気軽に取引することができなくなっており、対策が必要な状況です。
おわりに
今後はブロックチェーンを使った、新しいサービスがどんどん出てくる世の中で、少しでもWeb3.0のことを知ってもらいたい! という思いで書きました。
たくさんの新しいサービスが生まれていますが、Web3.0の世界は、まだまだ触っている人が少ないのが現状です。
ただ、近い未来はWeb3.0があたりまえの世界になっていると私は確信しています!
現在の中央集権型から分散型へと進化することで、インターネットがより自由で開けたものになっていくことが楽しみで仕方ありませんね!
みなさんも今のうちからweb3.0の世界へ挑戦してみることをおすすめします。
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